貴金属は上値を試すも戻りきれず
警戒継続
目次
●白金:南ア国債の格付けが投資不適格に格下げへ
●銀:ファンドの買いは過去最高に
●ゴム:高値から1/3調整、逆ザヤは強気材料
●トピックス
白金:南ア国債の格付けが投資不適格に格下げへ
先週は、米中首脳会談、米国のシリア攻撃、米雇用統計と、重大な出来事、イベントが多くありました。
しかしながら、NY白金は上を試すも結局は抜けきれず、下値警戒はまだ払拭できない状況です。
東京白金は為替で相殺されて動きが止まっています。
現在の白金相場の印象は良いものではありません。
先週、南ア国債の格下げ動向とともに注目とお話していたドルランドはランド安が続いています。
主要格付会社のスタンダードプアーズとフィッチが先週格下げを発表し、南ア国債は投資不適格扱いになっています。
このランド安相場は、ドル建て白金の下値警戒の材料として引き続き注目しています。
最後に、白金のファンドの建玉ですが、これまでの下げで買い越しが減って調整が進んできています。
あともう一段の減少があれば、白金の下値不安が和らぐのではないでしょうか。
銀:ファンドの買いは過去最高に
今日は銀を取り上げたいと思います。
NY銀は相場の上昇につれ、取組が増加するなど足元では強気の相場が見られます
これは、ファンドの建玉からも見て取れます。
ファンドの建玉は昨年夏場の高値時を超えて、過去最高の水準になっています。
ただし、一方でこれだけ積み上がったファンドの建玉は下落に転じると大きな下げ材料にもなるため注意が必要です。
ゴム:高値から1/3調整、逆ザヤは強気材料
最後にゴムですが、今年1月には366円まで上昇しましたが、いまは240円台と3分の1程度調整してきました。
他方、限月間のサヤを見てみると、期近の4月限と期先の9月限との間で60円近く逆ザヤになっています。
”逆ザヤに売りなし”という商品相場の格言にありますが、調整を終えて下げ止まりが意識される状況になってきたと見ています。
トピックス
市場のせいにしてはいけない。
誰かのせいにしてはいけない。
全ては自分の責任だ。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
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