先週末はトルコでクーデターが発生しました。
週明けには騒動は収まりましたが、サプライズとなる事象が続いていますね。
NY市場では、取引時間が被ったこともあり有事の金買いの動きでしたが、東京市場は週末と休日で取引時間外のため影響はありませんでした。
今週はお休み相場?
さて、金市場ですが、NY金の動きをご覧ください。
英国EU離脱で大陽線上昇となった日は、一時1360ドル台までつけました。
それから1~2週間は、金融市場への影響を見極める時間となる中で、金買いは続いていました。
しかし、突発的な出来事での有事の買いは長くは続きません。
思った以上の混乱はなく、NY金相場は下がってきています。
RSIも70越えから下落して、50あたりで落ち着いてきています。
取組高も相場が直近高値1370ドル台をつけた時をピークに、じわじわと減少してきています。
投機筋の買い越しも、前回の発表の数字をピークに、最新データ(7/12)では減少してきています。
さらに、その後もNY金相場は下落しているため、買い越しはもう少し減って1000トン近くまで減少している可能性があります。
目先は、現在の材料が陳腐していることと、来週のFOMCと日銀の金融政策決定会合を控え、今週は一休みで次の週への準備の週になりそうです。
ただし、中長期では、トレンドは上昇トレンド継続でしょう。
マーケットの注目点
今日は、最近マーケットで注目されていることをお話します。
参院選は与党の勝利に終わり、首相はアベノミクスを進めよと信任を得たと話していましたが、早速、7月末までに経済景気対策として、10兆円規模の大型補正予算を組むとされています。
注目すべきは、その補正予算の規模と財源をどうするか、という2点です。
その財源は、建設国債や永久国債で賄われると噂されています。
永久国債とは償還期限(満期)がなく、利子は払い続ける国債です。
この国債を日銀が買い取る、政府は利子を払い続けるものの、償還の期限はないということになります。
この永久国債の発行というキーワードと、ヘリコプターマネーというキーワードが躍り出て、期待感から円安に傾いてきているのです。
こちらはドル円の日足です。
一時は、100円割れがあったものの、切り返して106円までにきています。
月足では、一目均衡表の雲に接近したところで、長い下ヒゲをつけてドル円は切り返しており、私は円安方向での動きが継続するとみています。
ドル発の円安は、NY金が下落して、東京金にとっては相殺されて動きませんが、
日本円発の円安は、NY金はあまり下がらず、東京金は円安効果で押し上げられて上昇する傾向にあります。
先週は、まさにこの動きで、NY金はやや軟調な中、円安で東京金は上昇しました。
今後の注目は、補正予算の規模と財源をどうするかの2点です。
ことの次第では、ドル円の日足では、一目均衡表の雲を上抜けする可能性があります。
トレンドは再び円安に転換することも考えられます。
来週の日銀の金融政策決定会合とその後の黒田総裁の記者会見に注目しましょう。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
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