先週末発表、注目の雇用統計は予想より大きく下回る結果となりました。
また、過去2か月の数字も下方修正されるなどネガティブサプライズとなり、ドル建ての金は30ドルほど急上昇しています。
雇用統計の結果は、2か月連続で15万人を割り込むなど振るわず、8月の株価の下落がまだ落ち着かず金融市場が不安定な状況が続いており、米国の10月の利上げはないのでは、と私は思っています。
NY金 日足 一目均衡表
テクニカル的にも変化が出てきました。NY金は、一目均衡表の雲の上限をまだ突破できていませんが、基準線、転換線を上抜きました。
これからのトレンドの見極めは、基準線、転換線、雲の下限がサポートとなり、雲の上限から9/24の高値1156ドルを突破してくるかに注目です。
投機筋のポジションの変化(CFTC建玉明細)
一方、投機筋のポジションは、米国の利上げ観測を背景に、今年は買いポジションが減り、売りポジションが増加するなど価格の上値を抑える要因となってきました。
しかし、その前提が崩れることで溜まった売りポジションの解消(ショートカバー)により、目先は価格が上昇することが予想されます。
今後は、米国の経済指標次第で、経済指標の結果が悪く、仮にQE4実施となれば、今年2月頃の売りポジション200トン台へ減少、買いは700~800トン台へ増加する可能性があります。
最後に、NY白金ですが、NY金につれ高の要因がある一方で、フォルクスワーゲン(VW)問題で上値は重くなっています。
VW問題で投機筋の売りポジションが増えています。
金の上昇をきっかけに、この増えた売りポジションの解消(ショートカバー)が起きる可能性があります。
まずは、NY金の上昇が継続するかに注目が集まります。
来週は、NY金の上昇の継続性についてお話したいと思います。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。