年後半に向けての仕込み時
先週から今朝までの動き
先週末の注目のイエレン議長の講演では、ここ数週間のFRB関係者の発言を上回る話はなく、ドル建ての金は1340ドルまで20ドルほど急上昇しました。
ところがその後フィッシャーFRB副議長が、年2回の利上げを示唆したことで、もう一段の早期利上げ思惑が高まり、ドル建て金は1320ドルまで下落しました。
一方で為替が、フィッシャーFRB副議長の発言で100円台前半から102円台まで円安が進み、結果的に東京貴金属は上昇しています。
フェドウォッチによると、12月利上げの予想確率が6割近くにまで上昇しています。
金相場展望
しかしながら、ドル建ての金は大して下げませんでした。
フィッシャーFRB副議長の発言で一段と下げるかと思われましたが、ドル建てでも結局小幅高で週末は引けており、下値は浅いのではないでしょうか。
現在の1320ドルは利上げ思惑で低迷していた7月末頃の水準です。
この後に年1回利上げに後ろ向きととらえられ、一時は1360-70ドルまで上昇しました。
その後、雇用統計やFOMCの内容で年1回の利上げ思惑が台頭して、1320ドルに落ち着きました。
相場は、年1回の利上げを折込んだ可能性があります。
そのため、年2回の利上げ思惑が台頭しなければ、この1320ドルを割り込むのは難しいのではないでしょうか。
今週末の雇用統計では、18万人~20万人といった良い結果で年1回の利上げ思惑が7-8割折込済みとなった時に、1320ドルを維持できているかを確認したいところです。
さて、東京金は転換点にきています。
東京金60分足のチャートでは、7/21に一目均衡表の雲の下に抜けた後、雲が上値抵抗になり下落トレンドが続いていました。
ところが週末のイベントを受けて、雲の上に抜けてきています。
明日の朝まで続くと下げトレンドは終わったとみて良いでしょう。
投機筋の建玉は、意外に減っていませんでした。
水曜からの下落の分は、含まれていないため直近では少し減っていると思われますが1000トンは維持しているでしょう。
年1回の利上げでも利上げのペースは非常に緩やかであり、1000トン超えが当たり前になる可能性があります。
今週は、週末の雇用統計に注目です。
それまでもみ合いの相場になると思われます。
雇用統計の結果を受けて、今後のトレンドが出ることになるでしょう。
さて、為替ですが、一目の雲で抑えられて円高が続いてきましたが、
目先は、転換線を上抜き、基準線や雲まで戻る可能性があります。
また、9月には日銀が金融政策を総括して今後の方針を示す予定です。
日本円発の円安では、ドル建ての金が下げにくく、東京金は上昇する傾向にあるため、注目しておきましょう。
今週末にはもう9月になり、年末に向けての戦略を立てる時期になってきます。
金相場は、年末年始が高くなる傾向が多いため、いまの安いところで買い仕込んでいくのも面白いでしょう。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
セミナーも定期開催中。