月曜から本日にかけて、週明けの金融市場は株式市場、為替市場、商品市場ともに大荒れの相場になっています。
8/10の当コラムにNYダウの変調についてお話しましたが、予想通りNYダウ週足は一目均衡表の雲を大幅に割り込んできました。
(2015/8/10:NYダウに変調の兆し!?ドル安ならNY金はショートカバー誘発の可能性も)
NYダウは、しばらく低迷するでしょう。
この状況下では、マーケットが注目している米国の9月の利上げは難しいと思っています。
この株式市場のパニック的な下落、為替市場でのリスク回避の動きにより、NY金市場はショートカバー誘発で価格は上昇する結果となりました。
現在は1160ドルで頭打ちになっています。株式市場がパニック状態で暴落となると、金を買う動きも鈍り、1160ドルで抜け切れない相場つきです。
一方、東京市場は急激な為替の円高により、NY金の上昇が追い付かず大幅に下落しています。
ドル円は、一時116円前半まで、前日比で6円近く円高が進み、その間に東京金は150円安、東京白金は400円安近くまで下落しています。
その後、為替市場が急速に120円まで戻りましたが、油断できない相場になっています。
しかし、ドル円は116円前半で、投機筋の売りはアク抜けしたと思っています。
それでは、NY金相場のショートカバーはどこまで進んだのか、まだ上昇余地があるかについてみていきたいと思います。
最新のNY金の投機筋の建玉では、売りが減り、買い越しが増加しています。
ただし、これは上昇が始まる前の8/18付の数字です。
相場は、その後40ドル上昇ています。
さらに投機筋の売りが減っていることが予想されますが、これまで売りの数量は過去にないほど蓄積していたため、まだショートカバーが終わるとは思っていません。
こちらは、金のフォワードレートの推移を表しています。
現在はマイナスの状態が続いており、現物市場では品薄感がある状態です。
実際に、金ETFはここ1週間でじわじわと増えてきています。
引き続き投機筋の売り玉の手仕舞い、ショートカバーが出やすい環境にあります。
中長期的には、米国の9月の利上げがあるのかに注目です。
私は、このような金融市場のパニック、原油安がつづく状況では、利上げは難しいと思っています。
マーケットが利上げがないと材料視すれば、ショートカバーが進み1160ドルを突破して1200ドルまで行くでしょう。
白金は、株が安いとどうしても金より下げ幅が大きくなります。
ただし、利上げできないとなると金は1200ドル上抜けへ、白金も連動する動きになるでしょう。
投機筋の売りが減ってきていますが、まだ蓄積している状態です。
株が弱く、白金の伸びは弱いですが、金に連動して上昇すると強気でみています。
最後に、この金融パニックの根源である中国の株式市場の推移をご覧ください。
上海総合指数は、4000ポイントから大きく下落して、7/9の安値を下回ってきました。
ここからは2015年1月~3月のもみあいがサポートとなるとみています。
NYダウもそうですが、株はV字回復は難しいですが、そろそろ下げ渋る動きとなるのではないしょうか。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。