40%引きでご購読
新規!💥 ProPicksを手に入れ、S&P 500を1,183%を超える投資成績を実現した、戦略をご覧ください40%割引で開始

貴金属は引き続き上値警戒で短期的には売り戦略を

発行済 2016-02-22 17:13
更新済 2023-07-09 19:32
貴金属相場の展望
短期と中長期では戦略が異なる!

(ポイント)
現在の状況は下落前の昨年10月の高値と以下の酷似点がある。
・貴金属相場と密接な米国の利上げへの見方
・投機筋の買いの積み上がり方
・フォワードレートのプラス転換



まずは、先週の金相場を振り返ってみましょう。

WMTV20160222-2.jpg

4400円を挟み50~100円の上下値幅でのもみあいになっていますが、現在の状況は昨年の10月の高値時に良く似ています。
昨年の10月までは米国の雇用統計が悪く、利上げ観測が後退していたため金相場は上昇していましたが、利上げ観測が台頭すると11月には下落していきました。
現在は、3月の利上げが見送られるとの思惑で上昇してきていますが、今後どうなるかに注目です。
実は、利上げ観測の台頭と後退は、貴金属市場の値動きと密接な関係があるのです。

WMTV20160222-1.jpg

NY金相場の値動きは昨年10月を大きく上回っていますが、先ほどの利上げ観測の状況のほかにも昨年10月の状況に似ていることがあります。
こちらのCFTCの投機筋のポジションと金ETF残高の推移をご覧ください。

WMTV20160222-3.jpg

金ETFは中国の不安などで昨年末からじわじわと増加傾向にあり、先週末は1日で19トンも増えました。
一方でCFTCの投機筋のポジションも買い越し(差引)が昨年10月の水準に迫るまで増加しています。
グラフはここ1年間の両者の動きを並べて比較したものですが、投機筋の買い越し(差引)と金ETFの残高には相関があるのがわかります。

巷では、金ETFの増加は長期の投機筋が入っている証で金相場は強気だという見方がありますが、今の状況では一概に言えません。
これまではCFTCは短期的な資金、金ETFは長期的な資金と棲み分けができていましたが、直近1年間の動きをみていると、両者が同じような動きになっているのが分かります。
CFTCの短期の投機筋は買いいっぱいの状態にあり、一転して売りに回ると金ETFも減少する可能性が高く、短期的には上値警戒で私はみています。
短期的には売り戦略に妙があるでしょう。


その他の貴金属相場でも同じような兆候が見られます。
まずは銀です。

WMTV20160222-5.jpg

かつてないほどに銀の買いは多く、昨年10月を上回っています。
他の貴金属に比べて銀が一番投機買いが多く、下落への警戒が必要です。

WMTV20160222-4.jpg

白金も昨年10月の水準にまで買い越しが増えてきています。




今後の見通し

貴金属相場は、3月の利上げ見送り論で上昇してきましたが、投機筋の買いポジションの多さが気になります。

また、金のフォワードレートも先週末にプラスへと転換してきました。
昨年11月の金相場の下落はフォワードレートがプラスに転じた翌日から始まったことを考えると、貴金属相場は高値でのもみあいの中で、投機筋の買いポジションの積み上がり、フォワードレートのプラス転換がきっかけに短期的には下落すると私は見ています。
短期戦略は売りが良いでしょう。

中長期的な展望ですが、利上げはなかなかうまくはいかずに貴金属相場は上昇するとみています。
中長期的な見方からすれば、短期的に下落して調整したところは買い場になるでしょう。


当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。

最新のコメント

当社アプリをインストール
リスク開示書: 金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。
上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある時は英語版が優先されます。
© 2007-2024 - Fusion Media Limited. 無断複写・転載を禁じます