新年あけましておめでとうございます。
今年も当コラムをどうぞ宜しくお願い申し上げます。
2016年相場のスタートは?
さて、2016年最初の相場からお伝えしたいと思います。
今年の東京市場のスタートは、12/30、12/31のNY市場の相場状況を受けての開始となりました。
サウジアラビアとイランとの間に緊張が深刻化、一時はドルが買われ、金が上昇するなど有事の買いとなりましたが、この流れは続きませんでした。
中国市場がオープンすると徐々に値段を下げて中国株は1.5%安となりました。
不安な中東情勢を受けて、株式市場は下落しています。
株安でリスク回避の円買いとなり、東京金市場は下げ幅を大きくして直近の安値を更新しています。
中期的な貴金属展望
さて、中長期的な展望ですが、まずは相場のトレンド転換を見るのに重要な投機筋のポジションの動向をご覧ください。
直近のCFTCは12/22付データではやや売りが減っています。
ただし、現地12/30の下げ幅が大きい時に取組高が急増していたため、おそらく投機筋の新規売りが増えていることでしょう。
また、フォワードレートは、マイナスからゼロに一旦戻りましたが、再びマイナスになっています。
投機筋の売りポジションは積み上がったままで、新規の売りにはリースレートが上がりコストがかかる状況が続いています。
さらなる売りポジションの積み上がりは難しいのではないでしょうか。
こちらは、NY白金の投機筋のポジションです。
売りが少し減ってきています。
年末も金に比べてしっかりした値動きになっており、もう少し売りが減っている可能性があります。
目先は、まだ売りが積み上がった状況で、本日のNY市場を迎えます。
NY市場では、サウジとイランの緊張を反映させた動きになるため、その動向は注目です。
さて、中長期の展望ですが、金と白金の動きの違いがポイントになります。
下のNY金と白金のサヤチャートをご覧ください。
これまでサポートになっていた一目均衡表の雲を割り込んできました。
東京でも同じように一目均衡表の雲のサポートを割り込んでいます。
NY、東京とも、昨年11月にも同様に雲を割れましたが、このときは基準線に戻り、上抜くと急伸しました。
今回は基準線まで戻した時に、上抜くのかまたは逆に上値抵抗となり抑えられるのか、ここがポイントです。
材料としては、鉱山会社の採算割れが続く状態、かつ鉱山会社のリストラがあり、白金が上昇すればこの材料が再びクローズアップされてくることでしょう。
来週の予告
来週は、週末の雇用統計を受けての市場の動きを解説していきたいと思います。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。