先週のFOMCでは、予想通り025%の金利引き上げが決定されました。
来年以降は、年4回の利上げが予想されていますが、これは今後の経済指標に左右されるでしょう。
週末、日銀の政策決定会合で株式市場にテコ入れを行うことが発表されましたが、中途半端と見られ株式市場は乱高下しました。
東京金は円高の影響で下落したものの、NY市場では支えられて戻っています。
NY金展望
さて、NY金相場ですが、12/17(木)に大きな下落を見せました。
利上げ決定で一度売られましたが、12/3の安値は更新せずに反発しています。
この安値を切るとストップロスが入り一段安が懸念されますが、ひとまず回避しています。
この背景には、現物市場で需要が旺盛なことがあります。
NY市場で17日に目立った現物の買いが入りました。
また、金ETFでも買いが入っています。
こちらは、金ETFの残高を示しています。
11月~12月は雇用統計が良い結果となり、金ETFは減少していましたが、FOMCの結果で急増しています。
次に投機筋のポジションですが、こちらはあまり変化はありません。
未だに売りが多く、整理されていません。
過去の例を見ると、売りの水準が高まってから4~5週間は売り手は維持しています。
直近のデータでは、売りが600トン近くまで増加してからちょうど5週目です。
そろそろ売りが整理されてくるのではないでしょうか。
また、フォーワードレートはマイナスのままで、売り手にとっては新規で売りにくい状況が続いています。
今後の見通しですが、
NY金相場は安値圏にあります。
近年の傾向として、年末は安く、年初から上昇する動きが見られます。
NY金相場は、
投機筋の売りポジションが多い状態が続いていること、
現物需要が旺盛で、金ETFも増加していること、
フォワードレートがマイナスのままであることから、
売買戦略は、1050ドル付近では年初からの上昇を見込んで買い仕込むのが良いでしょう。
安値を切ると要注意で一段安が予想されますが、そこは買い場になると思っています。
ただし、乱高下しておりボラティリティが高く、資金配分には十分に注意する必要があります。
NY白金展望
NY白金は下落していますが、金ほどは下げていません。
これは先週お話しました南アの鉱山会社アングロ・アメリカンのリストラの動きが意識されていると思います。
投機筋のポジションはほとんど変化はなく、引き続き売りが多い状態です。
年明けから鉱山会社の労使交渉が始まるため、これが反転のきっかけになるかもしれません。
ドル円相場
最後にドル円相場です。
こちらは日足チャートですが、先週末は円高が進みましたが121円台を維持しました。
また一目均衡表の雲が支えになっています。
こちらは週足のドル円ですが、これまでも雲がサポートになり、円安傾向が続いてきました。
この傾向はいまだに健在です。
利上げが決定したことでドル円の金利差拡大が意識され、NY株が下落してリスク回避となる中でもドル円はサポートされました。
ドル円のこれ以上の円高は考えにくく、現物需要が旺盛な面からみて、東京金はそろそろ買い妙味が出てきていると思います。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。