■株式相場見通し
予想レンジ:上限20250-下限19850円
来週は米雇用統計やG20を受けてのスタートとなるが、その後は日米ともに決算シーズンとなるため、業績を手掛かりとした個別対応に向かいそうである。
雇用統計については、非農業部門雇用者数は前月比22.2万人増加とコンセンサス(17.8万人増)を大きく上回った。
失業率は4.4%で、16年ぶり低水準だった前月の4.3%から若干上昇したが、ほぼ横ばいとの見方から、米連邦準備制度理事会(FRB)が予定通り年内3度目の利上げを行う後押しになるとみられる。
また、G20については、トランプ大統領が「米国第一主義」政策を掲げる中、各国首脳との亀裂が浮き彫りにならなければ、通過材料としてみなされるであろう。
決算については、米国では14日にJPモルガン、ウェルズ・ファーゴ、シティグループといった金融機関の決算が予定されているほか、国内では13日にファーストリテ (T:9983)が決算を予定しており、日経平均に影響を与えよう。
また、引き続き個人主体の物色が続くとみられるが、来週はゲーム株の決算が予定されている。
12日にSHIFT (T:3697)、日本エンタープライズ (T:4829)、13日にケイブ (T:3760)、エディア (T:3935)、14日にブロッコリー (T:2706)、メディアドゥ (T:3678)、IGポート (T:3791)、サイバーステップ {{|0:}}、Gunosy (T:6047)が予定されている。
サイバーステップは、クレーンゲームアプリ「トレバ」が好調で第3四半期で業績の大幅黒字転換を達成していることもあり、決算を受けた動意が注目されることになろう。
経済スケジュールでは10日に5月機械受注、5月国際収支、6月中国消費者物価指数・生産者物価指数、12日に米地区連銀経済報告(ベージュブック)、13日に6月中国貿易統計、6月米生産者物価指数、14日に6月米消費者物価指数、小売売上高、鉱工業生産が発表される。
その他、12日にイエレンFRB議長が下院金融委員会で証言するほか、13日に上院銀行委員会で証言する。
14日にはトランプ米大統領がマクロン仏大統領の招待で革命記念日式典に出席する。
ベージュブックのほか、イエレンFRB議長証言を受けて利上げ観測が高まる可能性もあり、これを受けた円安の流れが支援材料になる展開も期待したいところである。
もっとも、足元のこう着で日経平均の2万円前後の水準では利益確定の流れも強まりやすいところである。
しばらくは個別対応の物色が続くことになりそうだ。
■為替市場見通し
来週のドル・円は米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長による議会証言が材料視されそうだ。
6月の米雇用統計はやや強い内容だったが、一部の経済指標は予想を下回っており、強弱まちまちのため、FRBの利上げ継続方針には懐疑的な見方が残されているものの、FRB議長の証言内容次第ではドル買いがさらに強まる可能性がある。
また、14日発表の6月米消費者物価指数(CPI)はFRBの利上げ方針を後押しする内容になるかどうか注目される。
インフレ率が予想を下回った場合、利上げ継続への期待はやや低下し、米長期金利の上昇は一服すると予想されており、ドル売りがやや強まる可能性がある。
■来週の注目スケジュール
7月10日(月):機械受注、中消費者物価指数、独貿易収支、ユーロ圏財務相会合など
7月11日(火):欧財務相理事会、米JOLT求人件数など
7月12日(水):第3次産業活動指数、米地区連銀経済報、イエレンFRB議長証言など
7月13日(木):都心オフィス空室率、イエレンFRB議長証言、中貿易収支など
7月14日(金):米鉱工業生産、ミシガン大学消費者マインド指数、JPモルガン決算など