■業績動向
1. 2018年3月期の業績概要
品川リフラクトリーズ (T:5351)の2018年3月期の連結業績は、売上高が前期比0.9%減の102,749百万円、営業利益が同4.7%減の6,049百万円、経常利益が同0.7%減の6,322百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.1%減の3,419百万円であった。
予想比では、売上高が0.7%増、営業利益が8.0%増、経常利益が10.9%増、親会社株主に帰属する当期純利益が26.6%増となった。
事業別では、耐火物及び関連製品が売上高は前期比6.0%増の79,830百万円となった。
通期の日本の粗鋼生産は1億484万トンと同0.3%減とほぼ横ばいであった上、海外売上高が同14.5%増と大きく伸び、セラミックファイバー製品の売上げが好調であった。
地域別では、アジア・オセアニアが同12.4%増、北米などのその他の地域が同20.5%増と大きく伸長した。
同事業の営業利益は、同2.4%減の5,528百万円となり、売上高営業利益率は同0.6ポイント減の6.9%に低下した。
中国における環境規制によりマグネシアなどの原料の需給が逼迫(ひっぱく)し、価格が2~3倍に高騰した。
原料価格の急激な上昇に、価格転嫁が追い付かず、減益を余儀なくされた。
エンジニアリング事業の売上高は前期比20.2%減の20,823百万円、セグメント利益は同20.7%減の561百万円であった。
前期にあったコークス炉大型建設工事がなくなり、売上・利益とも減少した。
同社が株式の54.9%を所有するイソライト工業は、高付加価値セラミックファイバーの作業環境規制(RCF規制)対策品及び自動車関連製品の増加により好業績が続いた。
同子会社の2018年3月期の通期予想は、売上高が期初予想14,600百万円→第2四半期時点予想16,200百万円→実績16,765百万円(前期比15.1%増)となった。
同様に、経常利益は、1,810百万円→2,900百万円→3,315百万円(同58.9%増)となり、上方修正となった。
2. 財務状況と経営指標
(1) 貸借対照表
2018年3月期の総資産は、107,335百万円と前期末比828百万円増加した。
流動資産では、棚卸資産が同5,312百万円増加した。
仕掛品は、進行中のコークス炉と熱風炉の改修工事が約30億円の増加要因となったが、2019年3月期中に売上高に計上される予定のため問題はない。
長短の借入金が減少し、有利子負債は16,700百万円と同1,820百万円減少した。
(2) 財務比率
総合経営指標となるROE(自己資本当期純利益率)は、前期の7.8%から7.0%へ下落した。
耐火物の原料価格の急騰が、収益性を圧迫した。
エンジニアリング事業の売上高が落ち込んだため、資産効率が低下した。
棚卸資産が増加し、借入金の返済が進んだため、財務レバレッジも若干低くなった。
財務の安全性指標となる流動比率は、前期末の175.7%から184.3%へ上昇。
自己資本比率は、前期末の44.8%から46.6%へ改善した。
(3) キャッシュ・フロー計算書
2018年3月期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比3,006百万円減少し10,620百万円となった。
営業活動によって得られた資金は1,578百万円にとどまった。
税金等調整前当期純利益(6,152百万円)と減価償却費(2,330百万円)による増加に対し、たな卸資産の増加額(5,387百万円)と法人税等の支払額(1,656百万円)が主な減少項目であった。
投資活動によるキャッシュ・フローの支出は1,623百万円と前期より若干減少した。
主要な項目は、有価証券の純減額(899百万円)による増加と有形固定資産の取得による支出(2,340百万円)による減少であった。
財務活動の結果使用した資金は、長短借入金の返済による支出と配当金の支払額により、3,011百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
1. 2018年3月期の業績概要
品川リフラクトリーズ (T:5351)の2018年3月期の連結業績は、売上高が前期比0.9%減の102,749百万円、営業利益が同4.7%減の6,049百万円、経常利益が同0.7%減の6,322百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.1%減の3,419百万円であった。
予想比では、売上高が0.7%増、営業利益が8.0%増、経常利益が10.9%増、親会社株主に帰属する当期純利益が26.6%増となった。
事業別では、耐火物及び関連製品が売上高は前期比6.0%増の79,830百万円となった。
通期の日本の粗鋼生産は1億484万トンと同0.3%減とほぼ横ばいであった上、海外売上高が同14.5%増と大きく伸び、セラミックファイバー製品の売上げが好調であった。
地域別では、アジア・オセアニアが同12.4%増、北米などのその他の地域が同20.5%増と大きく伸長した。
同事業の営業利益は、同2.4%減の5,528百万円となり、売上高営業利益率は同0.6ポイント減の6.9%に低下した。
中国における環境規制によりマグネシアなどの原料の需給が逼迫(ひっぱく)し、価格が2~3倍に高騰した。
原料価格の急激な上昇に、価格転嫁が追い付かず、減益を余儀なくされた。
エンジニアリング事業の売上高は前期比20.2%減の20,823百万円、セグメント利益は同20.7%減の561百万円であった。
前期にあったコークス炉大型建設工事がなくなり、売上・利益とも減少した。
同社が株式の54.9%を所有するイソライト工業は、高付加価値セラミックファイバーの作業環境規制(RCF規制)対策品及び自動車関連製品の増加により好業績が続いた。
同子会社の2018年3月期の通期予想は、売上高が期初予想14,600百万円→第2四半期時点予想16,200百万円→実績16,765百万円(前期比15.1%増)となった。
同様に、経常利益は、1,810百万円→2,900百万円→3,315百万円(同58.9%増)となり、上方修正となった。
2. 財務状況と経営指標
(1) 貸借対照表
2018年3月期の総資産は、107,335百万円と前期末比828百万円増加した。
流動資産では、棚卸資産が同5,312百万円増加した。
仕掛品は、進行中のコークス炉と熱風炉の改修工事が約30億円の増加要因となったが、2019年3月期中に売上高に計上される予定のため問題はない。
長短の借入金が減少し、有利子負債は16,700百万円と同1,820百万円減少した。
(2) 財務比率
総合経営指標となるROE(自己資本当期純利益率)は、前期の7.8%から7.0%へ下落した。
耐火物の原料価格の急騰が、収益性を圧迫した。
エンジニアリング事業の売上高が落ち込んだため、資産効率が低下した。
棚卸資産が増加し、借入金の返済が進んだため、財務レバレッジも若干低くなった。
財務の安全性指標となる流動比率は、前期末の175.7%から184.3%へ上昇。
自己資本比率は、前期末の44.8%から46.6%へ改善した。
(3) キャッシュ・フロー計算書
2018年3月期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比3,006百万円減少し10,620百万円となった。
営業活動によって得られた資金は1,578百万円にとどまった。
税金等調整前当期純利益(6,152百万円)と減価償却費(2,330百万円)による増加に対し、たな卸資産の増加額(5,387百万円)と法人税等の支払額(1,656百万円)が主な減少項目であった。
投資活動によるキャッシュ・フローの支出は1,623百万円と前期より若干減少した。
主要な項目は、有価証券の純減額(899百万円)による増加と有形固定資産の取得による支出(2,340百万円)による減少であった。
財務活動の結果使用した資金は、長短借入金の返済による支出と配当金の支払額により、3,011百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)