■中期経営計画「Odyssey2018」と注目ポイント
3. ZTE Biotechとの合弁事業の見通し
ラクオリア創薬 (T:4579)とZTE Biotechとの合弁企業設立契約では、同社は新設の合弁企業に対して同社が有する5-HT2B拮抗薬(RQ-941)と5-HT4部分作動薬(RQ-10)の2つのプログラムをライセンスアウトし、その契約一時金をアップフロントで2018年12月期中に受け取るというのが骨子となっている。
米国によるZTE Corporation(ZTE Biotechのグループ主要会社)への経済制裁の影響によって、合弁企業の設立手続きが中断しており、契約一時金の支払いも行われていないというのがこれまでの状況だ。
投資家が最も注目するのは、ZTE Biotechとの合弁企業設立が当初計画どおりに進むのかにあると考えられる。
この点について弊社では、今下期には当初契約どおりのスキームで合弁企業が設立され、両社による医薬品の研究開発活動がスタートすることをメイン・シナリオに考えている。
そのように考える背景には、中国政府が国産医薬品の充実を急いでいることが後押しとなると期待されることがある。
また、ZTE Corporationグループとしても、リスク分散観点から事業の多角化を一段と推進する方向に動くのではないかという見方をしている。
ZTE Biotechとの合弁企業プロジェクトの先行きに一定のリスク(契約解消のリスク)が存在することは否定できない。
同社自身もZTE Biotech側との連携を密にしながら情報収集に努め、適切な対応をしていくとしている。
今下期の計画どおりの実行をメイン・シナリオとしつつも、リスクが顕在化する可能性があることは常に意識しておくべきであることは言うまでもない。
仮にそのリスクが顕在化した場合でも、同社への実態的なダメージは限定的だと弊社では推測している。
設備投資も含めて費用はほとんど発生しておらず、契約一時金獲得のチャンスを逃したに過ぎないというのがその理由だ。
短期的な期間損益には影響が及ぶことになるが、機会ロスの金額が他でカバー可能な水準であるとみている。
同社が中国市場・中国企業にどの程度の強い思い入れを抱いているかはわからないが、仮に中国へのこだわりを持ち続けた場合、ZTE Biotechに代わるパートナー企業を見出すことは充分可能だと弊社ではみている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
3. ZTE Biotechとの合弁事業の見通し
ラクオリア創薬 (T:4579)とZTE Biotechとの合弁企業設立契約では、同社は新設の合弁企業に対して同社が有する5-HT2B拮抗薬(RQ-941)と5-HT4部分作動薬(RQ-10)の2つのプログラムをライセンスアウトし、その契約一時金をアップフロントで2018年12月期中に受け取るというのが骨子となっている。
米国によるZTE Corporation(ZTE Biotechのグループ主要会社)への経済制裁の影響によって、合弁企業の設立手続きが中断しており、契約一時金の支払いも行われていないというのがこれまでの状況だ。
投資家が最も注目するのは、ZTE Biotechとの合弁企業設立が当初計画どおりに進むのかにあると考えられる。
この点について弊社では、今下期には当初契約どおりのスキームで合弁企業が設立され、両社による医薬品の研究開発活動がスタートすることをメイン・シナリオに考えている。
そのように考える背景には、中国政府が国産医薬品の充実を急いでいることが後押しとなると期待されることがある。
また、ZTE Corporationグループとしても、リスク分散観点から事業の多角化を一段と推進する方向に動くのではないかという見方をしている。
ZTE Biotechとの合弁企業プロジェクトの先行きに一定のリスク(契約解消のリスク)が存在することは否定できない。
同社自身もZTE Biotech側との連携を密にしながら情報収集に努め、適切な対応をしていくとしている。
今下期の計画どおりの実行をメイン・シナリオとしつつも、リスクが顕在化する可能性があることは常に意識しておくべきであることは言うまでもない。
仮にそのリスクが顕在化した場合でも、同社への実態的なダメージは限定的だと弊社では推測している。
設備投資も含めて費用はほとんど発生しておらず、契約一時金獲得のチャンスを逃したに過ぎないというのがその理由だ。
短期的な期間損益には影響が及ぶことになるが、機会ロスの金額が他でカバー可能な水準であるとみている。
同社が中国市場・中国企業にどの程度の強い思い入れを抱いているかはわからないが、仮に中国へのこだわりを持ち続けた場合、ZTE Biotechに代わるパートナー企業を見出すことは充分可能だと弊社ではみている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)