国際通貨基金(IMF)が2018年と2019年の世界経済成長見通しを引き下げた後、ドルに大きな変化はなく、金価格は火曜日に上昇した。
ニューヨーク商品取引所のComex部門の12月限金先物は、午後4時44分時点で1トロイオンスあたり0.32%高の1,192.40ドルとなっている。今年7月に予想した3.9%から3.7%と変更したが、これは2016年7月以来初めての下方修正となった。
金融情勢の悪化や資本流出が新興市場に圧力をかけている一方、米国と貿易相手国間の貿易緊張が高まっていることも、世界経済の見通しを曇らせたとIMFはつけ加えた。
「財政刺激策の一部が減ると、米国の成長率は低下する。現在の需要の勢いは強いが、中国製品への幅広い関税と中国からの報復措置は米国経済にダメージを与えるだろう。よって2019年の米国の成長予測を引き下げた」とIMFのチーフエコノミストであるMaurice Obstfeld氏は声明で述べた。
同時に2019年の中国の成長見通しを6.4%から6.2%へと引き下げた。
一方、ドルインデックスは95.59と若干上昇している。
シンガポールのオアンダでアジア太平洋取引責任者を務めるStephen Innes氏は「金価格は、押し目買いや株式売却懸念に対する安全資産としてサポートされている」と述べた。「株式市場が下落する可能性は相当大きいと思う。私の見解では金がその対策として重要なヘッジ策となる」とも述べた。
金は4月以来13%以上も下落しており、下がった理由としてドルと米国債利回りの上昇が挙げられている。
連邦準備制度理事会(FRB)は、9月の最終週に0.25%の利上げを行い、金利を2.0%から2.25%にした。12月にはさらなる利上げを示唆しており、パウエル議長は、景気が拡大し続ける中で、金利が「中立」を上回る可能性があると先週述べた。