水曜日の金相場は小幅高となった。投資家はFRBのパウエル議長のコメントを待ち構えているため、ドル相場に変動はなかった。
ニューヨークマーカンタイル商品先物取引所、日本時間15時12分時点の12月金先物価格は0.2%上昇の1トロイオンス1,203.5ドルとなった。
主要通貨バスケットに対するドルの強さを示すドルインデックスは96.98で変動しなかった。
本日中にもパウエル議長による声明が予定されており、アナリストは「パウエルはFRBによる利上げペースが早すぎるのではないかという懸念を抑えようとする」とみている。
FRBは今月初旬に12月に利上げすることを示唆している。
利上げと米国債利回りの上昇は通常、金相場の下落を招く。また、これらはドル相場の上昇にも繋がる。
ナショナル・オーストラリア・バンク(NAB)のエコノミスト、ジョン・シャルマ氏は「米ドルは一時的に下落局面になり、ドルの上昇が弱まったことによって金相場は上がりやすかった」と述べる。
ドル以外の通貨の保有者にとっては、ドル安によってドル建ての金が買い材料となる。
シャルマ氏は続けてこう述べる。「金は1,230~1,240ドルへと上昇する可能性があるため、投資家及び投機家は金に飛びつくだろう」
一方、複数のアナリストはEU離脱交渉(ブレクジット)が合意に至る可能性が高まることで、リスク回避資産であるドルを押し下げるという見方をしていた。
イギリスのEU離脱草案に関してEUと合意に達した後に、メイ英首相は離脱に関する合意文書を本日中にも上級閣僚に提出するとみられる。