11日金価格は小幅高である。一方、FRBは世界経済低迷が続くようであれば、利上げを一時停止する可能性を示唆していることによって米ドルは下落している。
日本時間午後3時48分時点での、ニューヨーク商品取引所(COMEX)の2月限の金先物は0.3%高で1292.30となっている。
ジェローム・パウエルFRB議長は10日、FRBは辛抱強く柔軟性をもって対応するとし、今年2回利上げを行うという見通しに対し、既定の政策はないと発言している。
リチャード・クラリダFRB副議長も10日、この見解を繰り返している。
同氏は「我々は忍耐強く政策金利を調節することが可能」と述べている。
「ドル安と、ハト派のFRBは、金を引きつける2大要因である」と、OANDAのAPACトレーディングヘッド、Stephen Innes氏は述べる。
また同氏は「米国経済が2019年末から2020年にかけて減速するという懸念があるため、市場は利下げを織り込み始める」と語る。
金には金利がないため、金価格は政策金利の影響を大きく受ける。
米ドルインデックスは0.2%安で、94.933となっている。
また金価格は、世界経済の成長鈍化に対する懸念からも支えられている。米国、中国、スイス、フランスの今月の経済指標は思わしくない。
ムニューシン米財務長官が10日に、劉鶴中国副首相が1月末に通商協議で訪米する可能性が高いと述べており、米中間の貿易摩擦に注目が集まる。
米国と中国は、9日に貿易協議を終えた。中国の商務部は問題の解決に向けた基礎を築いたと述べ、今後とも綿密に協議を続けることに合意している。