国際通貨基金(IMF)が世界経済成長率の予想を引き下げた後でも、金価格はアジア時間22日に下落した。
金先物価格(COMEX)は日本時間午後3時10分において0.3%安で1トロイオンスあたり1278.65ドルであった。21日午前の取引にて金価格は今年の最低水準である1276.80ドルまで下落した。
IMFは21日、世界経済が2019年に3.5%、2020年に3.6%成長すると世界経済見通しを引き下げた。前回10月の見通しと比べるとそれぞれ0.2%、0.1%下がった。
「2年間安定した成長を続けたが、世界経済成長は現在予想よりも鈍化していおり、リスクが増している」とIMFマネージング・ディレクターのChristine Lagarde氏は報道陣に伝えた。
「それは世界的な景気後退が近づいているということなのか?答えはノーだ。だが、世界経済成長率が急落するリスクは増した」と同氏は述べ、政治家に「深刻な成長低迷」に備えるように呼びかけた。
この世界経済見通しによって、米ドルや円などの安全資産は上昇したが、金価格は小幅下落した。
他にも、22日に中国国家発展改革委員会(NDRC)が経済への下方圧力は同国の労働市場に影響を与えるであろうと警告している。
「「変化」という視点から考えると、外部環境は複雑で厳しい」と、NDRCの孟イ(Meng Wei)報道官は述べている。
「変化の中に懸念すべきことがあり、経済に下方圧力がかかっている。その圧力は雇用に影響を与えるであろう」と同氏は付け加えた。