アジア時間水曜日の原油価格は、中国の財政政策が中国経済の減速を改善させるとの見方から上昇した。中国経済の減速によって、エネルギー価格は上値が重い。
日本時間14時46分時点での、ロンドンインターナショナル取引所のブレント原油先物は、前日比0.3%高の1バレル=61.70ドルでの取引となった。
一方、WTI原油先物も同様に値を上げ、前日比0.3%高の1バレル=53.14ドルでの取引となった。
本日の原油価格の上昇は、昨日報道された中国経済の成長率が約30年ぶりの低水準であることに対する2%の下落からの反発であった。
中国統計局は月曜日に、2018年第4四半期のGDP成長率が6.4%であると発表し、前年度の6.5%を下回る水準となった。
一方、国際通貨基金(IMF)は火曜日に2019年の世界経済の成長率を3.5%と、10月に予想していた3.7%から引き下げた。
その他、日本政府は水曜日に2018年12月の輸出統計を発表し、前年同月比3.8%減となった。直近2年間で最大の減少幅である。
経済減速はエネルギー需要を冷え込ませるため、世界経済の減速はエネルギー価格にとって逆風となっている。
複数のアナリストは、次回の米中貿易協議が世界経済の大幅な減速を回避する最重要イベントとなり得ると述べている。
劉鶴副首相率いる中国代表団は1月30、31日と米国を訪問し、貿易戦争の終結に向けて協議を行う。
サクソバンク(Saxo Bank)のチーフエコノミストであるスティーン・ヤコブセン氏は、ロイター通信の取材に答え、2019年第1四半期の見通しについて「世界経済は打撃を受けている」と発言し、続けて、中国政府は経済の安定に向けて米国の要求を飲むだろうと付け加えた。
中国財務省の政府関係者は、中国政府は経済を下支えするために財政支出を拡大させる予定であると述べた。
しかしスティーン氏は、トレーダーは中国政府が景気刺激策を見込んでいないとの見解を示すとともに、2020年はさらに経済が冷え込む可能性があると警告した。