前回はパラジウムの価格上昇に注目が集まっていたが、今は金だ。金の価格は1オンス=1300ドルを上回り、その他の貴金属とは群を抜いて価格が上昇している。
1月30日の取引終了時において、金の価格は5日連続で値を上げており、4ヶ月連続の高値を更新している。2016年4月ぶりである。
ニューヨーク商品取引所の4月限金先物は9ヶ月間の高値である1330.15ドルでの取引となった。4月限金先物の1月の上昇幅は3.4%であった。
日本時間金曜日午前6時における、金現物価格は前日より37セント安い1319.34ドルで取引された。同価格は一時、9ヶ月間の高値である1326.32ドルをマークしていた。
RBCウェルスマネジメントのアナリストであるジョルジオ・ゲロ氏は、「ストラテジストは投資家に対して、貴金属の保有割合を増やすよう呼び掛けているため、金の価格は1300ドルを上回る水準まで押し上げているのだ」と述べている。
その場合、複数の専門家は金が短期間で最高値まで値を上げ、その後ある一定水準に落ち着くだろうと考えている。
ロイター通信のアナリスト、トレーダー36人に対する調査によると、2019年の金価格の予想の中央値は2018年の数値を3%上回る1305ドルであったと火曜日に報じた。
同調査では、価格の爆発的な上昇はほんの数年間のうちに起こる可能性が高く、2020年には1350ドルに達すると結論付けられていた。もしそうなった場合であっても、2016年の高値1374.91ドルや2018年の1366.07ドルを下回る水準となるだろう。
だが、金価格の上昇は別のシナリオも想定されている。
複数のアナリストは、価格がさらに上昇するとみているのだ。
スタンダード・チャータード( Standard Chartered ) (LON:STAN)の貴金属アナリストであるスキ・クーパー氏はCNBCの取材に対して、金価格は今第4四半期には1325ドルで推移し、2020年には1400ドルを突破すると述べた。金が1400ドルで取引されていたのは2013年9月ぶりである。
パラジウムの現物価格は1オンス=1342.85ドルと、前日比1.2%安であった。
1月17日のパラジウムは一時1440.35ドルで取引され、金の価格を上回っていた。当時貴金属の中で最高値であった。金も2011年には1900ドルまで上昇したことがある。
パラジウム先物は前日比0.8%安の1306.15ドルで取引された。
一方、銀先物は0.8%高の16.06ドル、プラチナ先物は0.9%高の823.15ドル、銅は0.5%高の2.78ドルでの取引となった。