景気後退への懸念が好材料となり、25日の金価格は上昇している。
日本時間午後2時25分時点におけるニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物価格は0.3%高の1322.05ドルとなっている。先週、金価格は1%高で3週続伸となった。
22日、米製造業PMIが予想を下回った後、米3ヶ月国債と10年国債で2007年ぶりに逆イールドが発生した。逆イールドは景気後退の先行指標として考えられている。
このことを受けて、世界中の株式市場は値を下げた。日経平均株価は3%以上下落、香港のハンセン指数も2%近く下落した。
他方、安全資産への需要の増加により金価格は上昇した。
「予想される経済指標の悪化により金利は低下し続けるので、金価格は上昇するという我々の見解に対し、現在の金の値動きは説得力を与えている」とTD証券のアナリストは述べた。
また、今月のFOMCではFRBは金利を据え置き、2019年にさらなる利上げがないことを示した。
他方、不透明なブレグジットにも注目が集まるだろう。本来の3月29日の期限は、2週間後の4月12日まで延期された。
議会がブレグジット協定案を3回目の否決をした場合、合意なき離脱を含めた様々な選択肢を検討することになるだろう。
米中通商協議の進展もまた注目を集めるはずだ。今週は高官級の米中通商協議が北京で実施される見込みである。