11日のユーロはドルやポンドに対しやや値を上げて取引されている。中国の強い経済統計やM&Aによる買い圧力が要因として考えられる。一方、ブレグジット関連の不透明感が向こう数か月続くとの見通しから、ポンドは下落を続けている。
ロイターの報道によると、三菱UFJ銀行によるドイツDZバンクの航空機ファイナンス事業の買収を見込んで、ユーロの投機買いが広がっている。買収額は53億ユーロ(59億ドル)を超える見込みだ。
失業者保険申請件数や生産者物価指数が予想を上回ったことを背景に、ドルは円に対して上昇しているが、ドルインデックスは0.1%安の99.675となっている。
3月の中国貿易統計は、輸出が前年比14%以上の大幅増となり予想の7.3%を上回った。このことを受け、リスク選好は回復している。
しかし、輸入は予想の1.3%減を下回り、7.6%減となった。
ハト派的な欧州中央銀行(ECB)の記者会見を受け、ユーロへの買い圧力は落ち着きを見せている。しかし、10月末までのブレグジット延期をEUが認めたことで、ポンドに対しては依然として上昇を続けている。
EU加盟国が欧州委員会に対して米国との貿易協議入りを承認する準備があるとの報道は、市場心理の改善を促した可能性があるが、際立った影響はこれまでのところ見られていない。
日本時間午後5時00分時点で、ユーロはドルに対して0.3%高の1.1284ドル、ポンドに対して0.3%高の0.8640となっている。
他方、トルコのリラは、同国の外国通貨準備が再び減少したことで下押し圧力を受けている。4月5日までの週で外国通貨準備が3%以上減少しており、政府は国内銀行に対して資本注入を計画している。