米国が2千億ドル相当の中国製品に対し関税を引き上げるという報道によるリスクオフの流れを受け、安全資産である金が値上がりしている。
日本時間午後6時10分において、6月限金先物は1オンスあたり0.22%高の1288.45ドルとなっている。
ロバート・ライトハイザー米国通商代表が10日に中国製品に対し関税を追加すると発表したのち、金先物では買いが先行している。
5日、トランプ米大統領は自身のツイッターで、2千億ドル分の中国からの輸入品に対し関税率を現行の10%から25%に引き上げると述べた。これを受け、米中関係の悪化が懸念されている。
米中貿易協議は合意に向かうと予測しているアナリストもいる。ただし、追加関税により世界的な経済見通しが後退し、さらに米中間の緊張が高まることで合意が遅れることが予想される。
9日と10日に行われる協議には米国からライトハイザー氏やムニューシン財務長官、中国から劉鶴副首相が参加する。
米中当局は以前、協議に関し数週間で合意に向かうとの前向きな姿勢を示していると報道されていた。しかし、ここに来て突然雲行きが怪しくなってしまった。
ムニューシン氏はなお協議が「最終局面」を迎えたと述べた。