トランプ米大統領の発言によって合意期待が後退したが、28日の金先物は小幅安となっている。
午後3時51分時点での、ニューヨーク商品取引所(COMEX)の6月限金先物は0.11%安で1282.15ドルとなっている。
TD証券のアナリストは27日、1270ドルがサポートラインになるだろうとレポートで述べた。「金は回復し1300ドルに向かいつつある」とし「イールドカーブのフラット化や、VIX指数の上昇などは、金に対する上昇要因である...押し目買いが活発に入るのも当然だろう」と述べている。
また、米連邦準備制度理事会(FRB)のハト派の姿勢も、金への追い風となっている。加えて、最近の米国の経済指標の悪化も、利下げへの予想を強めている。
「世界経済の低迷のリスクによって、FRBが予想されるよりも早く利下げに踏み込む可能性が高まり、世界のイールドカーブのフラット化や低金利の情勢はつづくことになるだろう」
「FOMC議事要旨では、経済が改善しようが政策金利は据え置かれることを示唆しており、これによってドル高の勢いは軽減されている。逆イールドに転じるにつれ利下げが検討されることも、金にとって上昇要因である」
米中貿易協議については、トランプ米大統領は27日に安倍首相との共同記者会見で「中国との合意の準備はまだ」であると発言し、近いうちに合意委に至る期待は遠のいた。
24日にメイ英首相は、6月7日に保守党党首を辞任することを表明した。金トレーダーは引き続き、EU離脱ニュースにも目を向ける必要があるだろう。