30日のアジア市場において、米中貿易摩擦が激化する中で金価格は小幅安となった。
午後4時56分時点で、6月の金先物は0.46%安の1オンス当たり1,275.10ドルとなった。
シカゴのRJO Futures社貴金属ストラテジストEli Tesfaye氏は、「1,300ドル台に到達するためには、まず1,289ドルのレジスタンスラインを越えなければならない」と述べた。同氏は、「現在の取引レンジは1,275~1,289ドルの間にある」と付け加えた。
中国国営新聞社の人民日報は30日、米国は中国の報復の威力を軽視しない方が良いと警告したことから、米中間の緊張は更に高まった。
同紙は、「米国による不当な制裁措置に対して、レアアース輸出の制限は間違いなく有効な反撃手段となる」と発しており、「我々による警告は無かった!と後から言わないでほしい」とも述べている。
中国政府が米国への報復手段としてレアアース輸出の制限を行う用意が出来ている事が報道後、アジア株は今週値を下げている。しかしながら安全資産であるはずの金は、リスクオフムードの恩恵を受けられていない。
中国の輸出主導型経済の健全性と米国との全面的な貿易戦争に対する懸念は強まっているにも関わらず、金価格は不思議にも高騰していない。
代わりに、安全資産として米ドルが恩恵を受けている。ドル高は一般的に、ドル建ての金価格を下落させる働きがある。