メキシコへの関税賦課と米中間の貿易摩擦の激化を受けて、金価格はアジア時間で上昇した。
ニューヨーク商品取引所の6月限 金先物は午後3時52分時点で0.27%高の1オンスあたり1,314.65ドルとなっている。
トランプ政権は先週末に、6月10日からメキシコからのすべての輸入品に5%の関税を課し、不法に国境を越えて流入する移民が止まるまで関税を25%に「徐々に引き上げる」と発表した。
このニュースは金価格を上昇させた。そして米中貿易戦争の激化もそれを後押しした。
中国は、米国は信頼できない交渉相手であり、世界的に貿易問題を引き起こしていると非難する貿易協議に関する白書を発表した。
これとは別に、王受文商務次官は日曜日の記者会見で先月の貿易協議が不調に終わった主な理由は「米国が後退した」からだと述べた。
日曜日に、中国は以前に発表された関税の引き上げを実行し、「信頼できない」外国企業に対するリストを策定すると述べた。
金は政治・経済に懸念が高まっているときには安全資産として選択されるが、米ドル高は貴金属価格の上昇を抑える。
RBCウェルスマネジメントの貴金属アナリストであるGeorge Gero氏は、「関税によって世界経済が脅かされているため、ドル高であっても金価格は1,300ドルに達しました。メキシコへの自動車部品への関税は将来の売上に悪影響を及ぼす可能性があります、そして関税は価格に転嫁されて消費者に渡されることになります」と語った。
「FRBは、利上げではなく利下げを深く検討することを余儀なくされる可能性があります」とGero氏は付け加えた。
インフレ率は米国連邦準備制度理事会(FRB)の目標を下回る水準で推移しているが、パウエル議長は先日、強くないインフレ率は「一時的なものになる可能性がある」と述べていた。