加熱する米中貿易戦争をよそに、4日アジア市場の金価格は横ばいで推移している。
4日午後4時2分時点で、8月限金先物は0.29%高の1331.75ドル。
合意に向かっていた貿易協議の重要事項について中国が「後退させた」という見解を米国側が改めて主張したことが報じられ、合意への道のりが険しいものであるという懸念が浮上している。
中国は米国が「脅迫と強制」をしているとして非難しており、2日に発表した白書では米国の要求が「法外」であるとの見解を示した。これを受け米国側は中国が「非難の応酬」を行っていると述べた。
これらの報道ののちアジア株は安値圏で取引されたものの、安全資産であるはずの金需要は高まっていない。
悪化する貿易摩擦の中、株式市場は世界的に下押し圧力を受けている。
またトランプ米大統領がメキシコからの輸入品全てに関税を5%上乗せするという計画が注目を集めており、実行されれば世界的な不況に陥りうると指摘されている。
一般的には、政治的・経済的混乱が起きた際には金が安全資産として選ばれる傾向にある。
FOREX.comのアナリストであるFawad Razaqzada氏は「貿易摩擦が間違いなく今後も論点になるだろう」と指摘した。