パウエルFRB議長が講演にて利下げを示唆した中、5日の金価格は小幅高となり約3か月ぶりの高値圏で取引されている。
5日午後5時00分時点で8月限金先物は0.71%高の1338.15ドル。
トランプ米大統領が中国・メキシコとの貿易戦争で火花を散らす中、米FRBパウエル議長は「米国の景気拡大を持続させるために適切な行動を取る」と述べた。
パウエル議長は「(中国やメキシコとの貿易戦争が)いつどのように解決されるのかは不明だ。米国経済の成長に及ぼす影響を監視し、堅調な雇用の維持と2%のインフレターゲットを目指し適切な行動を取る」と発言。
この発言を受け米ドルは下落、金は高値圏へ動いている。
米シカゴRJO FuturesのPhilip Streible・貴金属ストラテジストは「中国やメキシコとの貿易戦争が白熱していることから市場は利下げを見込んでいる。今後はカナダや欧州とも貿易摩擦が発生するかもしれない。FRBは明言を避けるだろうが、いずれ利下げを行うだろう」と指摘する。
利下げ示唆直後に発表された4月米製造業新規受注は0.8%減となった。
トランプ米大統領がメキシコからの全輸入品に追加関税を課すことを明らかにしたのち、金価格は5日間で4%近く上昇した。