24日のアジア市場で金価格は上昇し、1,400ドルを超える値で取引された。米イラン間の緊張が高まっている事を背景としている。
午後4時57分時点で8月の金先物は、0.44%高となり1オンスあたり1,406.25ドルで取引されている。
中東情勢の緊張が高まり、今日の金価格は上昇した。先週後半、イランは米国の監視ドローンを撃墜し米国の領空内侵入とスパイ行為について非難したが、米国政府は同機が狙撃された際には公空内を飛行していたと主張している。
米国政府は、ペルシャ湾の石油タンカーに対する攻撃についてイランを非難しているが、イラン政府は関与を否定している。
政治的・経済的不確実性が高まる際、金は安全な避難先として見られる。
一方で、米中貿易摩擦が引き続き投資家心理を損なう中でFRBがハト派の動きを見せ、金市場を支えた。
先週、インフレの減速や貿易摩擦等により高まる経済へのリスクを受け、FRBは将来的な利下げの可能性を示唆した。
金利引き下げは、金のような金利収入を生み出さない安全資産の魅力度を引き上げることになる。
25日のニューヨークにおける外交問題評議会でのFRBジェローム・パウエル議長による講演も目が離せない。同氏は、経済の展望と金融政策について発言する予定だ。
米中貿易関係に関して、トランプ米大統領は日本で開かれるG20サミットに並行して習近平国家主席と「更なる対談」を行うと発表した。サミットは、28日から2日間に渡って開催される。
金の魅力度が相対的に上昇する中、米ドルインデックスは通貨バスケットに対し過去3ヶ月で最低近い水準へ下落した。
米ドルインデックスは0.02%安の95.697で取引された。