3日午後17時15分時点で、ニューヨーク商品取引所(COMEX)での8月渡しの金先物は、1.39%高の1427.55ドルとなっている。
G20大阪サミットにてトランプ米大統領と習近平中国国家主席は今週、貿易協議を再開することに合意した。しかし、ピーター・ナヴァロ大統領補佐官(通商担当)が貿易協議は順調に進んでいるが適切な合意に時間がかかるだろうと述べており、投資家たちは近い将来には合意が成立しないのではないかと懸念している。
2日、トランプ大統領は、米中貿易協定は「ある程度」米国に有利なものである必要があると警告し、中国との貿易戦争をかきたてた。
さらに、米通商代表部(USTR)はEUへの発動を検討している追加関税を従来の210億ドルからさらに40億ドル分拡大することを発表した。対象品目にはオリーブや、イタリア製チーズ、スコットランド製ウィスキーなどが含まれる。
報道によると、EUは報復措置を用意しているが、米政府との交渉にもオープンであるという。
これらのファンダメンタルに加え、7月のFOMCでのFRBの利下げ観測も相まって、金は上げ相場となっている。
トランプ大統領は2日夜、欧州復興開発銀行(EBRD)米国理事のジュディ・シェルトン氏と、セントルイス連銀のエグゼクティブ・バイスプレジデントで調査局長であるクリストファー・ウォラー氏をFRB理事に指名する意向を示した。
シェルトン氏は6月のCNBCのインタビューでは、任命されれば2年以内に0%台に利下げする意向を示していた。
トランプ大統領は以前より現職・パウエルFRB議長の金融引き締めに対して過剰であると批判しており、利下げを主張する理事の指名に動いている。