7月8日のアジア市場終盤で、金価格は上昇し1400ドル台に再び突入した。また、10日・11日に予定されているジェローム・パウエルFRB議長による議会証言も今後金価格に影響を与えることが考えられる。
午後4時50分時点で8月の金先物は、1トロイオンスあたり0.59%高の1,408.35ドルとなっている。
7月5日発表の6月米雇用統計は予想を上回る結果となり、月間で22万4000件の雇用が創出された。一方で失業率は3.6%から3.7%へ上昇し、賃金は先月同様3.1%増加した。
この好調な雇用統計により利下げへの市場期待が低下し、米ドルが2週間で最高値となり、金価格へ下げ圧力がかかっていた。しかし、市場が消化し終え金価格は一転上昇している。
市場は現在、金融政策に関する方向性を探るためパウエルFRB議長による10日・11日の議会証言に注目している。
FOREX.COM貴金属・通貨アナリストのフォワード・ラザクザダ氏は「特に米中通商協議も再開しているこの状況の中、雇用成長の回復が7月中の利下げの必要性を下げたのかどうかという点に市場は注目している」と述べ、「我々はそうは考えていない」とつけ加えた。
同氏は、7月11日に発表予定の消費者物価指数と、7月25日に予定されているECB理事会によっては様子が変わるかもしれないとした。