29日のアジア時間で、金価格は小幅安であった。今週30・31日に行われるFOMCを前に、様子見ムードである。
午後1時28分時点で、金先物8月限は小幅安で1,419.65ドルで取引された。
先週25日、ECBが一部の利下げ期待を覆し金利維持を決定したことから、金価格の1日での下落幅が3週間で最大となり、週次では0.5%安となった。
本来、金利引き下げ観測は金価格にとってプラスである。
今週市場の注目を集めるのが、7月30・31日に予定されるFOMCであり、最低でも25bpの利下げが予定されている。
一部でFRBの利下げ計画には影響を与えないと主張されたものの、先週26日発表のGDP成長率が予想を上回った事から、積極的な50bpの利下げ期待は減少している。
ナショナル・セキュリティーズ(ニューヨーク)のチーフ市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏は、「この利下げは経済が急激に減速している時に取る程軟調なものではなく、FRBの方針を逆転させる程強硬的なものでもなく、丁度市場が求めていたものだ。我々は企業決算とGDP成長率の不振を予想していたが、両者ともに上向きつつある」と述べている。
安全資産である金の価格は、香港の政治的混乱や米中通商協議の進展への懸念をよそに、29日のアジア株式市場の下落による恩恵を享受している。30日から米中代表による協議が中国で予定されているが、大きな進展への期待は薄いと報道されている。