米連邦準備制度理事会(FRB)が「タカ派な金融引き締めが必要なインフレのピークを過ぎた」との報道を受けて、当初の予想ほど積極的な利上げに踏み切らないのではないかとの見方が高まり、連休明けの今週も米国市場は反発を続ける可能性がある。
前週は主要3指数がいずれも6%超の大幅上昇を記録した。S&P500とNASDAQ総合は共に7週連続のマイナスを脱し、ダウ工業株30種平均は8週連続のマイナスから回復した。
FRBの政策転換のペースと経済への影響が不透明な中、株式市場は極めて大きな乱高下を繰り返している。大きな損失を被った後、一部の投資家は現在、住宅とインフレに関する軟調なデータは、FRBが今年後半の引き締めペースを一時停止または減速させるのに役立つかもしれないと感じている。
メモリアルデーの祝日で月曜日が休場となる来週の取引では、以下の3銘柄に注目したい。
1. Salesforce.com
セールスフォース・ドットコム(NYSE:CRM)は、5月31日(火)の市場取引終了後に2023年度第1四半期の決算を発表する予定だ。企業向けソフトウェアやクラウド・ベースのサービスを法人向けに販売している同社は、売上高73億8000万ドル、1株当たり利益0.94ドルと予想されている。
サンフランシスコに本拠を置く同社は3月、顧客対応ソフトウェアのリーダーとしてSlackのさらなる統合と製品ラインの拡張に伴い、四半期と年間収益の好調な見通しを示した。通年の売上は、321億ドルにもなるとのことである。
セールスフォースは昨年、インスタント・メッセージのプラットフォームであるSlackを277億ドルで買収したが、これは企業が顧客を管理し対話するための主力ソフトの価値と実用性を高めるための施策の一環であった。
金曜日に165.10ドルで取引を終えたCRM株は、投資家がグロース株の売却を急いだため、今年に入ってから株価は35%下落している。
2. Chewy
ペット用品のオンライン小売業者であるチューイー(NYSE:CHWY)は、6月1日(水)の市場取引開始前に最新の四半期収益を報告する予定だ。アナリストは、売上高24億1000万ドルで、1株当たり0.10ドルの損失を予想している。
パンデミックによってeコマースの売上が伸び、外出を自粛していた顧客がペット用のフードやおもちゃを買い占めた余波で、コロナ禍が明け始めたチューハイは足元前途多難な状況に直面している。同社は3月下旬、今年度の収益見通しを下方修正した。コストの上昇とサプライ・チェーンの混乱により、品切れ商品が増えているためだ。
同社は株主宛ての書簡で、次のように述べている。
「特に、四半期の半ばにオミクロン株が出現したことで、すでに弱体化していた業界全体のサプライ・チェーンがさらに混乱した」。
株価は、前年度に2倍以上になった後、今年に入って54%下落している。先週金曜日の株価は27.11ドルで終了している。
3. CrowdStrike Holdings
クラウドベースのサイバー・セキュリティ・プロバイダーであるクラウドストライク・ホールディングス(NASDAQ:CRWD)は、市場取引終了後の6月2日(木)に2023年度第1四半期の決算発表を控える。アナリストは、売上高4億6380万ドルで、1株当たり0.23ドルの利益を予想している。
テキサス州オースチンを拠点とするCloudStrikeは、クラウド・ワークロードおよびエンドポイント・セキュリティ、高度な脅威インテリジェンス、サイバー攻撃対応サービスを世界の顧客に提供している。この技術企業は、ハッカーや敵対者の攻撃からネットワークを安全に守るために、グローバル企業や政府による支出の急増から大きな恩恵を受けている。
ブルームバーグ・インテリジェンスによると、クラウドストライクは2025年まで幅広いサイバー・セキュリティ市場の3倍のペースで成長する見込みで、アマゾン・ウェブ・サービス (NASDAQ:AMZN)などのパートナーとの関係が収益向上に寄与している。CRWDの株価は、今年に入ってから18%下落、先週金曜日に166.82ドルで取引を終えた。