[東京 27日 ロイター] - アジア時間の原油先物は上昇。トランプ米大統領が中国との通商合意の実現に期待感を示したことを受け、両国による最近の関税合戦で高まっていた警戒感が後退した。
0214GMT(日本時間午前11時14分)時点で、北海ブレント先物 (LCOc1)は0.25ドル(0.4%)高の1バレル=58.95ドル。前日は1%下落し、3営業日続落となっていた。
米WTI原油先物 (CLc1)は0.30ドル(0.6%)高の53.94ドル。こちらも前日に1%下落し、4営業日続落となっていた。
トランプ大統領は26日、中国から通商交渉再開に向けた申し入れがあったことを明らかにした上で、通商協議を再開する方針を表明、合意の実現に期待感を示した。
中国の劉鶴副首相も同日、米国との貿易摩擦を「冷静な」交渉を通じて解決したい考えで、摩擦の激化に断固として反対すると表明した。
OANDAのシニア市場アナリスト、ジェフリー・ハリー氏は「今のところ、市場はトランプ大統領のコメントに捕らわれている」と述べた。
米中貿易摩擦が世界経済や原油需要に悪影響を及ぼすとの懸念などを背景に、原油価格は4月に付けた今年の高値から約20%下落している。
マッキーナ・マクロのストラテジスト、グレッグ・マッキーナ氏は「通商合意が実現すると確信しない限り、世界経済は減速し続け、世界各地の企業業績に下押し圧力がかかる」と指摘した。
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