[ロンドン 11日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は11日に発表した月報で、世界の原油市場は、9月のサウジアラビア石油施設攻撃の影響から急速に回復したと指摘するとともに、世界需要の鈍化に伴い、来年は供給過剰になる可能性もあると指摘した。
IEAは、世界最大の石油輸出国であるサウジは9月に2カ所の石油施設が攻撃を受け、生産量が大幅に減少したものの迅速に回復させたと指摘。
「9月の石油市場は、大規模な供給停止という教科書的事例を克服した」とし「影響は深刻なものの長期的な混乱を市場に及ぼさないことが明らかになるに伴い、価格は持ち直した」と述べた。
サウジが、攻撃で失われた生産を取り戻すのに要した期間はわずか11日。ただ、9月の平均供給量は77万バレル減少し日量900万バレルと2011年以来の低水準となった。
IEAは、2020年のさえない経済見通しを踏まえ、石油需要の伸び予想を10万バレル引き下げ日量120万バレルとした。
2020年は、米国やブラジル、ノルウェーからの供給が一段と拡大し、石油輸出国機構(OPEC)産原油の需要が日量2900万バレルに減少するとし、OPECが供給抑制を継続する可能性があると指摘した。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191011T095217+0000