[マニラ 4日 ロイター] - 東南アジア鉄鋼協会(SEAISI)は4日、中国の鉄鋼メーカーによる対東南アジア投資の急増に伴い、域内の生産能力が年間5000万トン超膨らむ可能性があるとの見方を示した。
今月退任するタン・アー・ヨン事務局長は、月報に掲載された加盟各社への最後のことばで、東南アジアの大型鉄鋼プロジェクトへの中国の投資額が過去2─3年で急増し、特にインドネシアとマレーシア、フィリピンに集中している実態を明らかにした。
その上で「中国の鉄鋼関連投資は以前から東南アジア諸国連合(ASEAN)で見られたが、最近まで主な投資先は中小企業に限定され、プロジェクトは相対的に小規模だった」と述べ、「ASEANの鉄鋼業界にとって、今後は活気にあふれる半面で厳しい時代になる」と予想した。具体的なデータには言及しなかった。
世界鉄鋼協会(WSA)によると、来年の東南アジアの鉄鋼需要は5.6%増加する見込み。インフラ事業に支援され、伸びが今年の3.1%から加速すると見込まれている。一方、中国の需要の伸びは来年は1%と、今年の7.8%から鈍化する可能性がある。
タン氏は、米中貿易戦争や英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる不透明感、世界経済の成長減速で、東南アジアの需要の伸びは抑制されかねないと警戒感を示した。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191105T022911+0000