[ジャカルタ 15日 ロイター] - インドネシアは、バイオ燃料の原料となるパーム油に対する欧州連合(EU)の輸入規制が不当だとして、国際貿易機関(WTO)に提訴した。同国貿易省が15日に声明を出した。
声明によると、9日に提訴の最初の段階となる2国間協議をEUに要請した。
欧州委員会は今年初め、パーム油の原料となるヤシ栽培は過度の森林破壊をもたらすとし、輸送用燃料への使用を2030年までに禁止すべきだと結論付けた。
インドネシアは世界最大のパーム油生産国。EUの「再生可能エネルギー指令(RED2)」について、WTOの紛争解決機関に異議を申し立てると繰り返し表明していた。
インドネシアのスパルマント貿易相は、科学的な研究を考慮し、パーム油の業界団体や企業とも協議した後で決定したと語り、「提訴することで、EUのRED2と規制の見直しを求める」と語った。
同国政府高官は、EUの政策はインドネシアのEU向けパーム油輸出に直ちに影響はないが、世界的なパーム油製品のイメージを毀損(きそん)するだろうとしている。