[東京 25日 ロイター] - アジア時間の原油先物は上昇。前日の4%近い急落を受けて割安感に着目した買いが優勢となった。ただ、新型コロナウイルス感染拡大による世界経済への悪影響が当初の想定を上回るとの懸念で、上値は限定的となった。
0212GMT(日本時間午前11時12分)現在、北海ブレント先物 (LCOc1)は0.29ドル(0.5%)高の1バレル=56.59ドル。前日は3.8%下落と、2月3日以来の大幅な下落率を記録。
米WTI原油先物 (CLc1)は0.22ドル(0.4%)高の51.65ドル。前日は3.7%安だった。
楽天証券の吉田哲コモディティアナリストは、投資家の安値拾いの動きや、前日にWTIが下値支持線とされる50ドル近くまで下落したことが、多少持ち直している理由だと指摘。
24日は原油を含むコモディティーの大半が需要減退懸念で売りを浴び、欧米の株式市場は急落した。
吉田氏は、中国本土以外での新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済や原油需要に当初想定されたよりも大きな影響を及ぼし得るとの懸念が、市場心理を今後も圧迫する公算が大きいと予想した。
一方、サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコ (SE:2222)のナサール最高経営責任者(CEO)は24日、ロイターに対し、新型コロナウイルスが原油需要に及ぼす影響は短期的なものにとどまり、下半期(7─12月)に消費は回復するとの見方を示した。[nL3N2AP0WU]