[シンガポール 5日 ロイター] - アジア時間の原油先物は1%超上昇。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間統計で原油在庫が市場予想よりも小幅な増加となったことが材料視されている。ただ、主要産油国の減産を巡る不透明感が上値を圧迫した。
0202GMT(日本時間午前11時02分)時点で、北海ブレント先物 (LCOc1)は0.78ドル(1.5%)高の1バレル=51.91ドル。米WTI原油先物 (CLc1)は0.69ドル(1.5%)高の47.47ドル。
出来高は低調。CMCマーケッツの首席市場アナリスト、マイケル・マッカーシー氏は「確信を持った動きにはなっていない」からだと指摘した。
石油輸出国機構(OPEC)関係筋によると、OPEC加盟国は非加盟の産油国ロシアから追加減産への支持を取り付けようとしているが、協議は難航しているもようだ。
OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「OPECプラスが、ロシアが求める減産幅変更なしとサウジアラビアが求める日量150万バレルの追加減産の中間点で折り合った場合、価格下支えとしては不十分かもしれない」と分析。
「OPECプラスは強力なメッセージを発信する必要があり、追加減産幅が100万バレルに満たない場合、原油価格は大幅に下落するだろう」と述べた。
一方、EIAの統計では、原油在庫の増加幅は小幅にとどまり、原油輸出量は12月以来初めて、日量400万バレルを上回った。これが原油相場を支えた。
イエメン内戦など、中東地域の地政学的緊張も相場の押し上げ要因となった。