[シンガポール 26日 ロイター] - アジア時間の原油先物は下落。前日まで3営業日連続で上昇していたが、米議会で間もなく成立する見込みの新型コロナウイルス対策法案への期待が、渡航制限や都市封鎖により原油需要が落ち込むことへの懸念に圧倒された。
0441GMT(日本時間午後1時41分)時点で北海ブレント先物 (LCOc1)は0.19ドル(0.7%)安の1バレル=27.20ドル。米WTI原油先物 (CLc1)は0.37ドル(1.5%)安の24.12ドル。ともに年初から6割前後下げている。
米上院は25日、新型コロナウイルスに対処する2兆ドル規模の経済対策法案を全会一致で可決した。法案は下院に送付される。
しかし石油生産が増加する一方で、需要は急速に落ち込みつつあり、原油相場の見通しは暗いままだ。
IHSマークイットは第2・四半期に世界の石油需要が日量1400万バレル以上減少し、前例がないほど在庫が積み上がると予想している。
ウィーンに拠点を置くJBCエナジーは第2・四半期に世界の石油需要が日量1530万バレル落ち込むと予想。少なくとも一時的に、原油価格が1バレル当たり10ドル前後に押し下げられるとみている。
これに加えて石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国による減産協調体制が崩壊したことで、石油生産は今後、増加することが見込まれる。
米エネルギー情報局(EIA)が25日発表した週間統計によると、3月20日までの米原油在庫は162万3000バレル増加した。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200326T060955+0000