[東京 17日 ロイター] - アジア時間の原油先物はまちまちの展開。トランプ米大統領が米経済の再開に向けた指針を発表したことを受けて当初は急伸していたが、その後発表された第1・四半期の中国国内総生産(GDP)を嫌気して高値から押し戻されている。
0406GMT(日本時間午後1時06分)時点で、北海ブレント先物 (LCOc1)は0.55ドル(2%)高の1バレル=28.37ドル。期近の米WTI原油先物 (CLc1)は0.13ドル(0.7%)安の1バレル=19.74ドル。より活発に取引されている6月限は1ドル(4%)高の1バレル=26.53ドル。
中国国家統計局が17日に発表した第1・四半期のGDPは前年同期比6.8%減少した。四半期の統計で遡れる1992年以降で初のマイナスとなった。新型コロナウイルス感染拡大抑制に向けた措置により、工場や交通機関、ショッピングモールが閉鎖されたことが響いた。[nL4N2C50R4]
これより先、トランプ大統領は16日に米経済再開に向けた指針で、各州は状況に応じて3段階で封鎖措置の解除を進めるべきとの考えを示した。[nL4N2C40XU]
アクシトレーダーのマーケットストラテジスト、スティーブン・イネス氏は「トランプ大統領の経済再開計画は原油市場を底上げする支援材料だった」としながらも、下方リスクの方が依然として支配的な要因だと指摘した。
原油先物は週間では2週連続で下落する見通し。
石油輸出国機構(OPEC)は16日、新型コロナウイルスの流行に伴う「歴史的なショック」を理由に、2020年の世界石油需要見通しを下方修正。一段の引き下げもあり得るとの見解を示した。[nL3N2C43KE]
米石油大手コノコフィリップス (N:COP)は16日、経費削減に加え、石油生産を今年の目標に対して約30%縮小すると発表した。減産規模はこれまでで最大。予想外の石油需要減に対応していく。[nL4N2C415U]
INGはノートで「これはOPECプラスの枠組みの外で、強制されることなく、かなりの規模の減産が行われるということだ」としたうえで、原油価格が急落した状況が減産を強いていると指摘した。
*内容を追加しました。