[メルボルン 30日 ロイター] - アジア時間の原油先物は前日に続き上昇。米原油在庫が予想ほど増加しなかったことやガソリン需要が上向きつつある兆しに支援されている。
0147GMT(日本時間午前10時47分)時点で、米WTI原油先物 (CLc1)は1.08ドル(7.2%)高の1バレル=16.14ドル。一時は16.25ドルまで上昇した。前日は22%高。
北海ブレント先物 (LCOc1)は薄商いの中、0.88ドル(3.9%)高の1バレル=23.42ドル。6月物は30日に期日を迎える。一時23.65ドルまで上昇した。前日は10%高だった。
米原油先物価格は前週、5月物が初めてマイナス圏に転落したが、翌日の期日に10.01ドルを回復した。6月物は現在、16ドル超を維持しており、市場ストラテジストは値動きの荒い展開が続くものの、底が形成された可能性があるとの見方を示している。
CMCマーケッツ・アンド・ストックブローキングのチーフ市場ストラテジスト、マイケル・マッカーシー氏は「WTI原油は15─20ドルの均衡価格に近いとみている。この水準には、需要崩壊で貯蔵施設が不足しつつある状況や予定される供給削減といった既知の材料が全て反映されている」と述べた。
米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が29日公表した週間石油在庫統計によると、米原油在庫は前週比900万バレル増の5億2760万バレルと、ロイターがまとめたアナリスト予想(1060万バレル増)ほど増加しなかった。ガソリン在庫は370万バレル減少した。
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)のコモディティー調査責任者、ラックラン・ショー氏は「最悪期を脱した可能性を示す材料が増えつつある」と指摘した。