[ロンドン 30日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)加盟国の4月の産油量は平均日量3025万バレル(bpd)となり、2019年3月以来、13カ月ぶり高水準だった。3月改定値から日量161万バレル増加した。
OPEC加盟国・非加盟国による連合体「OPECプラス」が3月6日に開いた会合で追加減産などを巡る協議が決裂。3年間にわたるOPECプラスの協力体制が崩壊し、市場シェア獲得のためサウジアラビアなどが大幅増産に舵を切ったことが背景にある。
その後、新型コロナウイルス感染拡大による需要の急減に対処するため、「OPECプラス」は5月1日から日量970万バレルの減産を行うことで合意したが、産油量の拡大はそれまで続いた。
産出拡大量はサウジが最も多く、その産油量は過去最大の日量1130万バレル。ただ、予想されていた1230万バレルよりは少なかった。需要減少により購入契約の一部にキャンセル要請があったためという。
産出量3位のアラブ首長国連邦(UAE)の産油量は日量385万バレルに拡大。過去最大量だったとみられる。このほか、クウェートやナイジェリアも生産を拡大した。
一方、イラクは輸出量の減少などを受けて生産を抑制。アンゴラの産油量も減少した。リビア、イラン、ベネズエラでも産油量が減少したが、サウジや湾岸産油国の増産幅が上回った。