[シドニー 13日 ロイター] - オーストラリアのバーミンガム貿易・観光・投資相は13日、中国の鍾山商務相に対し、通商問題に関する緊急の電話協議を呼びかけたが、まだ中国側から反応はないと述べた。
新型コロナウイルスの発生源調査などを巡って豪中関係は悪化している。中国は豪産大麦に反ダンピング(不当廉売)関税を課す方針との報道もあり、豪に対し報復措置に出たとの見方が出ている。
バーミンガム貿易相は12日、中国の税関当局が豪大手食肉加工業者4社が出荷した牛肉の輸入を停止したと発表。13日には、鍾山商務相に緊急協議を申し入れたと明らかにしたが、まだ返事はないという。
貿易相はABCテレビに「ボールは中国側にある。協議の意向があると明確に伝えた」と述べた。
豪政府は、新型ウイルスの発生源や世界保健機関(WHO)の対応も含め、感染の拡大に関する独立した調査を呼び掛けているが、中国はその必要性はないとして拒否している。
中国共産党系メディアの環球時報は12日付の社説で、豪産牛肉の輸入停止は豪の非友好的な行動に対する「警告」になるだろうと述べた。
豪農業団体の代表は、農産品輸出の3分の1を占める中国との貿易に支障が出ることに懸念していると述べた。
ワイン業界団体も、駐豪中国大使が豪製品のボイコットに言及した際にワインを挙げたことから、中国との対立に巻き込まれないか懸念していると述べた。今のところボイコットの兆しはないという。
*見出しと内容を更しました。