[ジュネーブ 9日 ロイター] - 世界気象機関(WMO)は9日、世界の気温は今後5年上昇し続け、一時的に産業革命前の水準よりも1.5度高くなる可能性があるとの見方を示し、上昇傾向が続けば、温暖化対策の国際枠組みパリ協定の目標達成が難しくなると指摘した。
パリ協定は、二酸化炭素排出量を減らして産業革命以降の気温上昇を2度未満に抑えることを目指している。
WMOは、2020─24年の間に1.5度高くなる確率は20%程度と予想している。ただ、少なくとも1度高い状態が続く可能性が高いとしている。
WMOによると、昨年大規模な森林火災が起きたオーストラリアや南アフリカでは、乾燥した状態が2024年まで続く。アフリカのサハラ砂漠南部のサヘル地域は湿度が高くなり、欧州では暴風雨が増え、北大西洋北部では通常よりも強風が観測される見通し。
短期的な見通しの提供は、気候変動に伴い発生する恐れのある異常気象を各国が定期的に把握することを支援するWMOの新たな取り組みの一環となる。