[ブリュッセル 14日 ロイター] - 欧州連合(EU)は13─14日、2030年の温暖化ガスの排出削減目標を議論するための環境相会合を開いたが、温暖化ガスの削減拡大を巡り加盟国間の溝は埋まらなかった。
EUの執行機関である欧州委員会は昨年12月、気候変動対策「欧州グリーンディール」を発表した。2030年までの温暖化ガスの排出削減目標を従来の1990年比40%減から「少なくとも」50%減に引き上げる方針を示した。さらに2050年までに域内の排出を実質ゼロにすることを目指す。
同委員会は9月に50%もしくは55%の削減目標を提案する意向だが、加盟国や議会の同意が必要になる。
オンライン形式で行われた会合では、どの程度削減目標を引き上げるかではなく、そもそも削減目標を引き上げるべきかという点で意見がまとまらなかった。
ドイツのシュルツェ環境相は会合後、一部の国は目標引き上げに消極的だとし、目標達成に向け欧州委員会からどのような支援が得られるのかといった声が出たと説明した。
ポーランド、スロバキア、ブルガリア、チェコ、ハンガリーは13日に欧州委員会に書簡を送り、目標引き上げが社会、環境、および経済面にどのような影響を及ぼすかについて、委員会による影響評価がでるまで新たな目標を受け入れることはできないと伝えた。
一方、スペイン、デンマーク、スウェーデン、フィンファンド、オランダ、オーストリア、ルクセンブルクは、2030年までの削減目標を少なくとも55%に引き上げるべきだとの考えを示している。