[ミンスク 28日 ロイター] - 大統領選の結果を巡り反政権デモが3週間続いているベラルーシのルカシェンコ大統領は28日、欧州が制裁を科せば、ベラルーシを経由する欧州への輸送ルートを遮断すると述べた。
ルカシェンコ氏は、欧州がベラルーシを通してロシア向けにモノを運ぶことを阻止するほか、ベラルーシが欧州連合(EU)の加盟国であるリトアニアの港を通して輸出している貨物を別の経路で輸送すると述べた。ベラルーシを経由する物資は、リトアニアの鉄道と港を通る貨物量の3分の1近くを占める。ベラルーシはまた、欧州がロシアへの陸路輸送の主要経路。ロシア産原油を欧州へ運ぶパイプラインも通っている。
8月9日の大統領選では26年間大統領職に就いてきたルカシェンコ氏が再選を果たした。ルカシェンコ氏は、選挙結果を不正操作したとする反政権派の主張を否定。ルカシェンコ氏が大統領職を退くことを求め、何千人もの国民が抗議活動を繰り広げている。ルカシェンコ氏は抗議が西欧諸国の支持を受けていると主張し、北大西洋条約機構(NATO)が軍をベラルーシ国境に送り込んだと批判するが、NATOは否定している。
ルカシェンコ氏は軍の半分に対して戦闘準備に入るように指示したと表明。ロシアのプーチン大統領とは、西欧諸国の脅威にさらされた場合に両国の軍が団結することで合意したという。
隣国のリトアニアとポーランド、ラトビアは欧州に対して、ルカシェンコ氏に断固たる行動を取るよう要請。大統領選で2位だった反政権派のチハノフスカヤ氏は選挙後にリトアニアへ出国したが、同氏を受け入れたことでリトアニアはルカシェンコ大統領の怒りを買った。
リトアニアの大統領の報道官は28日、「われわれの大統領は欧州や域内、国家レベルでのベラルーシへの制裁を支持する。ベラルーシでの政府機関の暴力行為や人権侵害に対する措置だ」と話した。
西欧諸国は今のところ慎重に動いている。ベラルーシで始まったばかりの民主化運動を支持する一方、ロシアによる介入を懸念している。EU外相は27日、選挙の不正操作や抗議活動の取り締まりを巡り最大20人のベラルーシ人に制裁を科すことを協議した。
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