[ロンドン 9日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)のエネルギー市場・安全保障局長、貞森恵祐氏は、ロイターとのインタビューで、欧州の新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)再導入で世界の原油需要見通しが押し下げられるとの見通しを示した。
一方で、影響は春ほど深刻にはならないと語った。
欧州の多くの地域でロックダウンが導入されており、これがマイナス方向に作用するのは間違いないと述べる一方、IEAの公式見通しの引き下げには言及しなかった。
「今回は学校や一部の店が開いており、前回のロックダウンよりも影響は小さいと思う」と述べた。
原油価格は一時の急落から1バレル=40ドル付近まで回復したが、需要を巡る懸念は消えていない。市場は依然、米国の選挙の行方に神経をとがらせている。
貞森氏は「米国を中心に、石油・ガス業界は今回の選挙に多大な関心を寄せている。民主党が新エネルギーへの抜本的な移行を進め、上院で引き続き共和党が過半数を占めれば、法案通過には障害となる。全体の結果を見る必要がある」と述べた。
IEAは、欧州の主要国が厳しい行動制限を導入する前の10月14日、月報で2020年と21年の原油需要見通しを据え置いた。