[アトランタ 15日 ロイター] - バイデン次期米大統領は15日、年明け1月5日に連邦議会上院の2議席を巡る決選投票が行われるジョージア州で演説し、新型コロナウイルス救済策や気候変動対策などの政策目標を実現するため、民主党の上院多数派奪還が必要として同党候補への支持を訴えた。
コロナ感染防止のためにドライブイン形式で開かれた同州アトランタでの支持者集会で、バイデン氏は共和党が多数派を維持すれば大半の政策目標が脅かされる恐れがあると警告。「ノーばかりでなくイエスと言える2人の上院議員」に投票するよう呼び掛けた。
決選投票は民主党のラファエル・ワーノック、ジョン・オソフ両候補が共和党の現職ケリー・ロフラー、デビッド・パーデュー候補にそれぞれ挑む。共和党候補が1人でも勝てば、同党は多数派を維持し、同党上院トップのマコネル院内総務が、バイデン氏の政策実現に立ちはだかる高い壁となる。
マコネル氏は15日、大統領選の勝利が確定したバイデン氏とハリス次期副大統領に初めて祝意を表明した。マコネル、バイデン両氏は電話で協議し、協力を模索すると約束。バイデン氏は記者団に、協力できる分野について話し合うため、近く対面会談を開くことで一致したと述べた。
ただ、バイデン氏は集会で、コロナ救済策やコロナ検査およびワクチン分配への資金手当て、州・地方政府の支援策、気候変動対策などで進展を果たすには民主党の多数派奪還が必要だと訴え、マコネル氏との協力に限界があることを浮き彫りにした。
また、ロフラー、パーデュー両候補が、ジョージアなど激戦4州の選挙結果を無効にするためにテキサス州が連邦最高裁に起こした訴訟を支持したと指摘。「ジョージアの500万近くの票の無効化に完全に同調したのだ」と批判した。
バイデン氏は、11月の大統領選で僅差ながらジョージアを制した。同州は長い間共和党の地盤州だったが、激戦州への転換を印象付けた。
両党は決選投票を前に活動を活発化させており、トランプ大統領も9日前に共和党候補の応援に現地に駆け付けた。
フロリダ大学の「米選挙プロジェクト」によると、14日に始まった決選投票の期日前投票で、1日目が終了した時点で、48万人以上が投票を済ませた。