[メルボルン 21日 ロイター] - アジア時間の原油先物は下落。業界統計で先週の米原油在庫が予想外に増加したのを受け、新型コロナウイルス対策の行動制限が石油需要を圧迫しているとの懸念が再燃した。
0147GMT(日本時間午前10時47分)時点で、米WTI原油先物は0.27ドル(0.5%)安の1バレル=53.04ドル。北海ブレント先物は0.26ドル(0.5%)安の55.82ドル。
米石油協会(API)が発表した15日までの週の統計によると、原油在庫は260万バレル増えた。ロイターがまとめたアナリスト予想は120万バレルの減少だった。
アクシのチーフ市場ストラテジスト、スティーブン・イネス氏は顧客向けリポートで、予想外の在庫増を受けて原油相場は利益確定売りに押されやすくなっているようだと指摘した。
イネス氏によると、新型コロナワクチンの普及でロックダウン(封鎖措置)が緩和されるとの期待がこれまで先行していたが、足元の移動制限で石油需要の短期的な見通しが悪化している。
「同時に、中国で春節(旧正月)を前にロックダウンが拡大しているため、同国の短期的な原油需要予測が強いと見なされ、下方修正される可能性がある」とした。
20日に就任したバイデン米大統領は温室効果ガスの排出量削減を公約しており、同日に地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」への復帰を表明し、カナダから米中西部まで原油を運ぶ「キーストーンXLパイプライン」の建設認可を取り消した。