[ロンドン/ドバイ/リスボン 2日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)のバルキンド事務局長は2日、原油市場の現状について、昨年みられた先行き不透明感が緩和し、全般的に良好との見方を示した。ただ、新型コロナウイルス感染拡大が継続しているため下方リスクはなお存在していると警戒感もを示した。
OPEC加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」は2日に合同技術委員会(JTC)を開催。バルキンド事務局長はJTC会合開始前に「昨年から長い道のりを歩んできた。新型コロナ感染拡大による衝撃で、経済成長と原油需要がマイナス圏に陥る日々は過去のものになったようだ」と述べた。
ただ「新型コロナワクチン接種が進められているが、現在のペースを踏まえると、途上国の多くが取り残されるリスクが存在している」と指摘。下方リスクがなお存在しているとし、楽観的ながらも慎重な見方を示した。
また、ロイターが確認した資料によると、JTCは「新型コロナウイルスの変異株によるリスクを含め、現物市場とマクロセンチメントの基調的な不透明感」に触れ、「慎重ながらも楽観的」な姿勢を強調。最近の原油高については、現物市場のファンダメンタルズの改善というよりも金融プレーヤーによって後押しされている可能性があるとの認識を示した。
バルキンド事務局長は、OPECとして2021年の石油需要は日量580万バレル増え、同約9600万バレルになると想定していると説明。2019年は同約1億バレルだった。2020年は新型コロナ流行により需要が落ち込んだ。
OPECの輪番制のプレジデントを務めるアンゴラのアゼベド鉱物資源・石油相はロイターのインタビューに対し、「原油価格は比較的安定しており、需要と供給との間にある程度の均衡がみられている」と述べ、世界的な原油市場は均衡化しつつあるとの認識を示した。
ただ、コロナ禍は継続しているため、需要が縮小する可能性があると警戒感を示した。
OPECプラスは4日に会合を開き、協調減産の縮小の可能性について討議する。
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