[ニューデリー 15日 ロイター] - 米国は2月、サウジアラビアを抜き、イラクに次いで第2位のインド向け原油供給元になった。インドの製油業界は、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の減産分を補うため割安な米国産原油の購入量を過去最高水準にまで拡大している。輸入関連のデータで明らかになった。
ロイターが入手したデータによると、2月のインドの米国産原油輸入量は前月比48%増の日量54万5300バレルと、過去最高となった。インドの原油輸入全体に占める割合は14%だ。
サウジ産の輸入量は同42%減の同44万5200バレルで、10年ぶり低水準に落ち込んだ。サウジは、インドにとって二大原油供給国の一つだったが、少なくとも2006年1月以降で初めて4位に転落した。
リフィニティブのアナリストは、「米国内の需要が弱い上に製油所の稼働率も低いため、新たな輸出先が模索されていた。急速な需要回復が見られるのはアジアだ」と指摘。その上で、「中国は通商問題を抱えているため米国産原油を購入しない。そこでインドに白羽の矢が立った」と語った。
データによると、2月のイラクのインド向け原油輸出量は同23%減の同86万7500バレルと5カ月ぶり低水準にとどまったが、なお首位を維持している。