[ワシントン 15日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は加盟国が直面している物理的および政策に関連した気候変動リスクの評価について野心的な目標を採用すべき──。ボストン大学グローバル開発政策センターのケビン・ギャラガー所長は報告書でこのように提言した。
報告書は、IMFは気候変動リスク対応で各中央銀行に後れを取っているものの、IMF協定第4条に基づく加盟国のサーベイランス(政策監視)ルールやIMFの金融セクター評価プログラム(FSAP)の改正に当たって主動的な役割を担うチャンスがある、と指摘した。
IMFのゲオルギエワ専務理事は1月、気候変動問題について、経済や金融の安定に対する基本的なリスクとの認識を示し、世界経済の支援につながるグリーンテクノロジーへの投資を促す計画を明らかにした。「気候適応サミット」で、炭素価格が着実に上昇し、グリーンインフラへの投資が拡大すれば、世界経済は今後15年間に年平均0.7%拡大し、数百万人の雇用が創出される可能性があると指摘した。
ギャラガー所長はIMFについて、最大の出資国である米国がトランプ前政権の下で協力的でなかったため、何年にもわたって身動きができなかったと指摘。バイデン政権に代わったことで気候変動リスクに注目が一段と集まることは明白だとしつつ、IMFは経済評価に対する変更を焦って表面的なものにとどめることなく、適正に行われるようにすることが極めて重要だと述べた。